皆さまは「老前整理」というものをご存知ですか?
終活というものが一時期ブームにもなったので、「遺品整理」や「生前整理」などの言葉を耳にしたことがあるかと思います。
似たような言葉ばかりで、違いについて分からないという方も多いのではないのでしょうか。
そこで今回は、「老前整理」についてご紹介いたします。
■老前整理とは?
老前整理とは、老いる前に行う整理、老いに備えるための整理のことです。
遺品整理や生前整理と違って、老前整理は自分のために行います。
老前整理は、今後の老後生活を楽に過ごせるように周りの整理をすることなので「亡くなったときに遺族が行う遺品整理」や「死後に備えて遺族のために行う生前整理」とは意味が異なります。
■老前整理のメリット
・老後に安全で快適な生活が送れるようになる
老前整理のメリットは、老後に安全で快適な生活が送れるようになることです。
家の中に物がたくさんあると、つまずいたりして転んでしまう危険があります。
若い頃は平気でも、年をとるとこうしたアクシデントで、骨折などの大けがをしてしまうことも十分考えられます。
大けがをしてしまえば、快適な老後は送れません。
その点、老前整理をして家の中の物を減らしておけば、けがを負うリスクを未然に低くできます。
また、高齢になって体力がなくなってから物を片付ける必要も、心配もなくなります。
・探しものが見つかりやすくなる
家の中に物がたくさんあると、何がどこにあるのか、分からなくなりがちです。
年をとると若い頃に比べ、物忘れも激しくなります。
探しものがあっても、なかなか見つけられなければ、老後の大切な時間を無駄に消費することになってしまいます。
老前整理をすることで、ストレスなく必要な物を取り出せるぶん、自分の時間をより大切に過ごせるようになるでしょう。
・思考がまとまりやすくなる
人は、目に入る情報が多いほど集中力がなくなっていく性質があります。
年をとると自然に何かに集中することが難しくなり、注意力も散漫になりがちです。
家の中がすっきりと片付いていることにより、思考がまとまりやすくなり、集中力を高めることができます。
■老前整理を進めるコツ
☑まとめてやろうとしない
一気にやってしまうとどんどん物が溢れかえってきて、逆にやる元気がなくなってしまいます。
一日に整理する区画を決めて少しずつ整理をするとよいでしょう。
例えば、「今日はこの棚の中身だけを整理する」などと決めて整理を始めると、終わりが見えてやる気も出てきます。
目標を決めることで、コツコツと着実に老前整理を行うことができます。
☑使う物と使わない物に分ける
家の中にある物を「使う物」と「使わない物」に分けましょう。
ここでのポイントは、「いる物」と「いらない物」には分けないということです。
この分け方をすると、ずっと使っていないものまで残すことになるため、物がなかなか減りません。
長い間使っておらず、この先使う予定もない物は、思い切って処分しましょう。
☑収納用品を増やさない
整理をしようと思って収納ボックスやその他の用品を買う人もいるかもしれません。
しかし、それは物の場所を変えただけで収納ができているとは言えません。
今あるタンスや押し入れなどを活用して、「そのスペースに納められるような物量を残していこう」と考えるとスムーズに進みます。
■まとめ
今回は、老前整理についてご紹介いたしました。
老前整理をすることで、老後の生活を安全で快適なものにすることができます。
家の中の物を減らせば自由に使えるスペースが広くなり、気持ちもスッキリするでしょう。
年をとってしまってからでは、なかなか行動に移せないもの。
これからの人生をより豊かで輝いたものにするために、今から少しずつ身の回りの物を片付け始めてみませんか。